病院が配布する広報誌には、患者向けの「病院広報誌」と地域の開業医向けの「地域医療連携誌」などがありますが、どちらも対象とする読者が異なるので、掲載内容、配布方法が変わってきます。今回はこの二つの広報誌についてご紹介します。
■対象と目的
<病院広報誌>
主に来院する患者さんに病院の特徴や取り組みを知ってもらい、ブランド力の向上と口コミによる集患へとつなげることが目的となることが多い媒体です。
<地域医療連携誌>
主に地域の開業医に病院の取り組みや医療体制を周知することで連携を強化し、患者さんに切れ目のない医療を届けられる地域の実現を目指すことが目的となる媒体です。
■掲載内容
<病院広報誌>
読者は患者さんとなるので、正しく医療用語を使用しても伝わりにくい内容になってしまいます。専門用語は避け、医療知識が少ない人にも分かりやすい言葉で病院の魅力が伝わるように心掛けましょう。またご挨拶や診療の紹介はどうしても堅い雰囲気になりがち。豆知識やお役立ち情報など箸休めコーナーを入れて読みやすい誌面となるよう工夫しましょう。
病院広報誌の誌面構成の一例)
・院長からのご挨拶
・各診療科でどんな医師が、どんな診療を行っているのかを紹介
・最新医療設備、施設の紹介
・管理栄養士からの旬の食材を使ったレシピ
・各種お知らせ
<地域医療連携誌>
メインの読者対象は地域開業医となるので、病院広報誌とはことなりドクターにとって理解しやすい掲載内容を心がけましょう。設備や施設の紹介にはじまり、診療や治療の実績などを掲載し、病気を抱える患者さんをつないでもらうことが目的です。最新の取り組みなどをタイムリーに発信することで「この病院に患者さんを任せられるな」と思ってもらえるような誌面作りを心掛けましょう。
地域医療連携誌の誌面構成の一例)
・医療設備、施設の紹介
・地域の開業医の紹介
・病診・病病連携に関するトピックス
■配布方法
<広報誌>
院内で目に留まる場所(入り口付近や待合、休憩所など)のラックに置き、待ち時間などに読んでもらえるようにしましょう。また、持ち帰ってもらうことができれば口コミ効果を期待することもできます。そのために、ラックに手にとってみたくなる表紙デザインにするなど、工夫をするとより効果的といえるでしょう。
<地域医療連携誌>
確実に地域の開業医に渡すため、直接医師へ手渡し、もしくは郵送しましょう。ドクターは基本的に忙しくしているため、手元に届きやすい方法が好ましいといえます。
いかがでしょうか。
「患者さん向け」「地域の開業医向け」と対象に合わせた広報誌を作ることで届けたい情報を確実に届けることができ、効果的な集患につながります。広報誌、地域医療連携誌、違いを押さえて魅力的な誌面を作りましょう。